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入国拒否と外国人

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入国拒否は日本人には馴染みがないと思います。私は以前、学生のころ、海外旅行に行き、日本へ戻ってきたとき、自分の国に帰ることは当たり前のことだと思っていて、「入国拒否」など微塵も心配していませんでした。しかし、今のように入国管理局をよく知るようになってからは、「日本人のフリして入国しようとする偽装日本人」もいたりするわけで、あのときの空港の入国管理局職員もそういう目で審査していたのかなとか、もし間違えられていたら、などと考え、適正な審査手続の実現の重要性を考えさせられます。今ではどこの国の入国管理局もミスすることは知っているので、海外旅行も慎重に行わねばなりません。

Q:勉強で数年間在留期間延長をしながら在留した後、いったん帰国し、その後、短期で来て、観光ビザ等の短期滞在を反復して、成田空港に入国拒否されたときはどうすればよいでしょうか。また、「短期語学研修ビザ」というものはありますか。

A:一般に、まず、「ビザ」、「VISA」、「査証」、「在留資格」という言葉が混同されており、用語に使い方に問題があるので、まず、整理致します。まず、「短期語学研修ビザ」なるものはなく、正確には、短期滞在で日本語学校等へ通う目的で申請する査証及び上陸許可による在留資格のことと思われます。そして、設例には書かれてありませんが、数年間は「在留期間延長をしながら」在留したというのですから、日本語学校や専門学校等へ通ったのでしょう。したがって、就学や留学の在留資格を経由していたと推定できます。しかし、帰国し、その後来たときには、短期滞在というわけですから、再入国許可は無く、従前の留学等の在留資格は無くなっていたと推定できます。そして、次に来たときの曰く「観光ビザ」ですが、これも「観光ビザ」なるビザは日本の場合には法律用語ではなく、正確には、この文脈では、「短期滞在」の査証及び在留資格で、観光を目的とした、という意味合いで使われています。
なぜ、このように法律用語の用法にうるさく言うかと申しますと、まさにこのような設例で勘違いして上陸拒否される原因の一つになっているからです。
そもそも、このような設例の場合、短期滞在を反復したこと「だけ」が、上陸拒否の理由なのではありません。たとえば、上陸の目的が「知人訪問」の場合、これは、明らかに「観光」ではありません。したがって、虚偽の目的を詐称して査証や上陸許可を得ていたということになり、虚偽申請ですから、それ自体が、上陸が不許可になる原因なのです。そして、この人の場合、外務省と入国管理局を詐欺的手段により欺罔して、在留資格を騙取して入国したということになり、ブラックリストに搭載されることがあるのです。ブラックリストに搭載され、根本的に信用を失っている場合、上陸どころか、査証も発給困難になるでしょう。なお、「成田空港」と「入国管理局成田空港支局」は異なり、上陸拒否したのは、「成田空港」ではなく「入国管理局成田空港支局」です。入国管理局成田空港支局は、入管の一部です。そして、入管は行政です。そして、行政は法令によって運用されています。したがって、まず、法令を知り、次にその実際の運用を知らねばなりません。
このような場合、コンプライアンスの見地からは、初めから、査証申請するときも目的を詐称せず、真実の内容で申請しなければなりませんし、EDカードの「Purpose of visit」の欄も、「Others」にチェックを入れ、何をしに行くのか括弧内に付記しておくべきですし、招へい理由書や身元保証書等の資料も用意しておくべきなのです。
なお、上陸拒否されたら、旅券に「退」というマークを付けられてしまいます。「退」(退去命令)の字が消えるよう、旅券を新しい旅券に変えたところで、同じことです。このような場合は回復は困難であるため、事前の予防が大切なのです。

Q:逆に日本人が海外へ行く場合の入国目的や入国拒否と比較するとどうでしょうか。

A:話を転じて、日本人が海外へ行く場合で、真の目的が知人訪問であるのに、入国目的の審査の際、敢えて、「観光目的」と言え、というアドバイスがかなりみられます。その理由は、たとえば、「わが国に誰か知人はいるか。」という質問にYESと回答したり、「知人訪問」である等と答えた場合、当然、どういう関係なのか、という質問になるため、それが煩雑なので、避けるべし、というわけです。このアドバイスは、これを一般化することはできません。国にも制度にも、またその時期によっても違うでしょう。
なるほど、一回くらいちょっとだけ、日本人がその国に気軽に行くような場合、そういうアドバイスがなされがちなのかもしれません。しかし、入国管理制度というのは、そんなに単純なものではありません。日本の場合、私のようなプロは、真実の目的を回答するよう、アドバイスします。これは、職務倫理上も当然なのですが、実際上も最後には、それが正しいアドバイスなのです。一般に、「外国人」は上陸拒否されたらどうしよう、という不安の余り、虚偽の回答=「観光目的です。」と回答してしまうわけですが、それは少なくとも、日本の入管のシステムでは妥当しません。真実の目的を回答し、それに相応する立証資料等を準備するしかないのです。
では、外国の入管システムはどうでしょうか。外国の入管システムを詳しく知っているのは、その国の入管専門の法律家であることが一般です。しかし、それに日本人が直接アクセスするのは困難な場合があります。そういう場合には、その国にいる知人・友人・恋人等を通して、そうしたプロに聞いておいたほうがよい場合があるのです。

‡記事執筆‡イミグレーション戦略コンサルティングファーム行政書士あさひ東京 代表 古川 峰光

‡記事執筆‡イミグレーション戦略コンサルティングファーム行政書士あさひ東京 代表 古川 峰光

自身が国際結婚し、2万人以上の相談、20年以上の実績を有するイミグレーションコンサルタント兼行政書士。イミグレーション戦略の基盤となる渉外戸籍のマネジメント、在留資格のプログラム、来日後のライフステージに応じたサポート、永住権や国籍までの羅針盤になるようなコンサルテーションを実施。さらには、国際家族を形作ることに関わるアドバイザリー業務をコラボレーション。行政書士あさひ東京は総合的なインバウンド・イミグレーションの真のコンサルティングサービスとしてご提案致します。

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入国管理局とビザ入管実務については、広義では二つの分野があります。一つは、国際結婚手続等の渉外身分法に関わる分野、もう一つは外国人雇用の法務という就労の分野です。企業や市民から多数の相談を受けてきた著者が、在留資格と入国管理の世界で新たな視点を提示する。入国管理局の特質、申請の技術、退去強制と外国人雇用の関係、申請と許可の要件、不許可への対応方法……。入管に関わる企業と個人とが留意すべき事項を解説。(amazonの書籍説明より)

 

 

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国際結婚手続とオーバーステイ憲法の精神(憲法13条)や手続保障(31条)の見地から、国際結婚夫婦に人道的配慮ないし人権救済が必要であるのはいうまでもない。しかし、日本人と結婚しても顧慮されずに不許可処分ないし強制送還等される事例が極め日本人と結婚しても顧慮されずに不許可処分ないし強制送還等される事例が極めて多いことは知られていない。この本の内容は、現場的な視点での解説、意外に見落とす盲点等をピックアップし、国際結婚手続全般と、その応用としての「オーバーステイ」を研究し、解説する。(amazonの書籍説明より)

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テレビ朝日では、偽装認知の問題をコメント致しました。偽装結婚も偽装認知も件数は大変に多く、この結果、入管の審査では、正常な夫婦のご結婚の案件が、TV_ASAHI1偽装案件の山の中に埋もれてしまっているのが実情です。偽装結婚で逮捕されて処罰された人から直接、話を伺う機会があり、どのように偽装しているのかお聞きしました。写真を何枚か見せられ、そこには日本人男性の実家にて、日本人男性の両親と、結婚相手の外国人女性とが、仲良く写真に収まっていました。「よくやる方法なんですけど。」とその方は言われました。つまり、このように巧妙な手口で偽装されており、審査官からしても、TV_ASAHI2簡単には見分けはつきません。ところが、入管法上、許可に必要な立証責任は申請する側にあり、入国審査官側には存在しないのです。この結果、この構造を理解せず、気軽な気持ちで形だけ書類を用意し、申請して多数の申請が不許可になっています。
また毎日放送では、フィリピンから日本への介護での就労についてコメント致しました。就労については、典型的な就労資格である「人文知識・国際業務」、「技術」、「企業内転勤」以外に、「技能実習」、「特定活動」、「留学」での「資格外活動」等と多岐に渡りますが、当事務所代表行政書士は、これらを横断する問題や、これらと国際結婚、配偶者、家族滞在、永住、帰化等が複合的に絡む問題を多面的に考察することができます。

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