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配偶者ビザの実際の手続きのやり方とは?配偶者ビザの現実的・実務的な進め方を解説!

配偶者ビザ申請には、様々な現場での進め方があります。今回は、実際に適用される現実的・実務的な進め方を解説していきます。これにより、シームレスでストレスフリーに手続きを進められることを目指します。

窓口で申請する場合

一般的な出入国在留管理局での申請手続きでは、申請人は、提出する予定の書類を事前に整え、決められた手続きの時間内(一般的には9時から16時の間)に窓口に到着するようにする必要があります。

(裁判所+警察)÷2=入管

普通の行政機関(例えば市区町村)とは全く異なり、入管は外国人を扱う公安機関であって審判機能を備える組織のため、市役所や区役所というよりも、警察・検察や裁判所に類似している機関です。また税務署への確定申告のようなただの自己申告の届出と異なり、審査と許可が必要です。しかも刑事訴訟法と入管法を比較すると、入管はほとんど自由なフリーハンドの裁量権があることがわかります。

このため、窓口での手続きでは、事前の調整や、書類提出の際には、(裁判官とは丁寧に接する必要があるのと同じように)審査官とは丁寧な対応と説明が必要です。

また、審査官からの質問は、窓口のほか、電話インタビューや書面での質問状、面談がありますが、具体的で適切な回答が大切です。

審査官とのスムーズなコミュニケーションが非常に重要

この点、審査官からの質問は、その意味や狙いがわかりにくいことがよくありますので、必要に応じて、手続きに係る疑問点や申請内容を十分に理解するため、担当審査官とのスムーズなコミュニケーションが非常に重要です。

「指示待ち」はNG

具体的には、裁判所の裁判官と同じで、「指示を待っていても」、「指示をくれるとは限りません」。このため、「指示待ち」は(一般の会社でも「指示待ち」だけではNGですが)イミグレーションでは、特にNG事項であって、自ら能動的に手続きを理解し、証拠を出して立証する必要があることについては、裁判所と本質的には何ら変わりません。

そして、運よく「指示」があった場合には、直ちに対応し、訂正や追加書類の指示の場合には、その指示に従うことになります。但し、訂正や追加書類の指示には、2週間以内に、といった時間制限があるのが原則ですので、時間的に困難な場合もあり、特に予想もしていなかった書類の場合には、対応が不可能になります。したがって、基本的には指示が出ないように準備しておくことが重要です。

事前に釈明を加えておくことも大切なポイント

また、大量の案件を抱えて限られた時間しか審査に割けない審査官側の「指示」は誤解に基づく場合もあり、そもそも一件記録を通読されないまま質問が来ることは、普通に頻繁にあります。誤解である場合には直ちに「釈明」し、かつ、「釈明」が認められないと不利益な処分につながることもありますので、誤解を受けそうな部分は事前に予測し、「指示」を待つのではなく、事前に釈明を加えておくことも大切なポイントです。

窓口の現場に行ってから書類を書くのはやめておくべき選択

米国等の外国の入管や移民局の現場経験がある方はご存知だと思いますが、入管の類はどこの国も「外国人」で混み合っており、窓口でのあまり丁寧な対応は期待できません。また、現場で思いつきで書くと不適切なことを書いてしまうリスクがあります。したがって事前に何をどう書くのか、書類は基本的に仕上げて行くことがポイントです。

たまたま答えた審査官で答えが違う頻度が税務署や市区町村より格段に多いことを常に意識する

入管の審査官と外務省の査証官には、巨大な自由裁量権があります。
理由は法律が(ほぼ)自由裁量で構わないという趣旨で規定されているからです。
たまたま当たった審査官で、税務署や市区町村と比べて答えが変わるケースが大幅に多いです。このことを意識しないと、想定外の結果を招きます。それを防ぐためには、「審査官の回答が常に本当かどうか」を意識することが非常に重要です。

具体的には、
(1)イミグレーションについて、知識や考え方を可能な限り多面的かつ綿密にマスターし、洞察力を身に着けましょう。
(2)イミグレーションの現場では、例えば、一例に過ぎませんが、「退去強制執行されても1年で帰ってこれる」等と平然と回答する審査官が存在するのが現実なほど、ファクトチェックは必須です。(実際には、原則は5年戻って来れません。なお、意図的に事実と異なることを発言する場合もあります。)
(3)したがって、特定の質問について回答がある場合には、その回答がイミグレーションの現場でどの程度の普遍性があるのか、かつ、今後も通用するのか、ファクトチェック致しましょう。

正確に行うほど、許可率は高まる+速度も早まる

以上のように、出入国在留管理局では、これらの手順を正確に行うほど、配偶者ビザの許可率が高くなることになります。また結果までの速度も早まります。

オンラインで申請する場合

入管との接し方は窓口の場合と同じですので、ここではオンライン申請固有の事項を解説致します。

オンライン申請のほうが格段に早い場合が出ています

最新の情報では、適切にオンライン申請できるならば、窓口での申請よりもオンライン申請のほうが格段に早い場合が出ています。たとえば、東京入管のような混雑エリアの入管でも、オンライン申請のCOEの配偶者ビザでは、窓口申請で従来2~3か月かかった案件が、わずか1週間で許可が出ることがあるほどです。これは入管側の電算処理がオンライン申請の適切な入力で省かれることのほか、入管側の優遇措置等が理由です。
但し、早くなるのは、オンライン申請が「適切にできた場合」に限ります。

窓口を使うやり方はもう古い

このため、現在、現場のプロの間では、オンライン申請中心にシフトしてきており、窓口を使うやり方は古くなりつつあると言えます。

COE(在留資格認定証明書)の電子メール化

加えて、令和5年3月17日から、COE(在留資格認定証明書)が電子メールで受領することが可能となりました。電子メールで受領できれば、もはやEMSやDHLでの国際運送も不要になる場合がありますので、メリットは非常に大きいと言えます。

在留資格認定証明書を電子メールで受領することが可能

※引用:法務省出入国在留管理庁

その他、オンライン申請には様々なメリットがあり、100%、正確に使うことができれば、平日に仕事を休んで入管に行くこと(申請で1日、後日の受け取りで1日=計2日の休み。)が0%になるほどです。

オンライン申請は「マスト」

したがって、今後、イミグレーションではオンライン申請は「マスト」であり、窓口を使う時代は「既に終わった」と言えます。(但し、正規在留申請でも、短期滞在から配偶者ビザへの申請など、一部の案件はオンライン申請がなお使えません。非正規在留は勿論使えないことも重要なポイントです。)

オンライン申請については、電子申請システムを使う必要があります。
これは出入国在留管理局が設計している入管独自のシステムです。申請人はアカウントを作成するため、法務省のシステムにアクセスし、PDFファイルとJPEGファイルでまとめた証拠書類を事前に準備のうえ、ファイルサイズを法務省指定のサイズにし、所定のフォームに入力し、最後に電子ファイルとしてアップロードする必要があります。

わかりにくいオンライン申請の手順をごくシンプルにまとめると以下のとおりです。

在留申請オンラインシステムへ

出入国在留管理局のホームページから在留申請オンラインシステムにログインします。

在留申請オンラインシステムにログインの画面

※引用:法務省出入国在留管理庁

利用者情報登録

在留申請オンラインシステムでは、アカウントの作成のことを利用者情報登録と言います。利用者情報登録にはマイナンバーカード等が必要です。初めてシステムにアクセスする場合、名前や性別等はマイナンバーカードの情報を使います。パスワードをやメールを設定し、申請人がシステム内のオンライン申請を行えるようになります。

「申請情報入力」から申請内容を入力

ログイン後、申請人が所定のフォームに必要事項を入力。この段階で重要なのは、半角、全角、大文字、字数制限等のリクエストが一般的なフォームよりも格段にシビアであること、及び、その制限事項が個々のフォーム箇所に明確に記載されていないことに留意しながら、入力することがポイントです。

また、オンライン申請では窓口申請と決定的に異なることがあり、それは「柔軟な訂正や柔軟な補足事項の追加はできない」という点です。たとえば、窓口申請ならば、何か間違いがあっても、窓口の受付職員との間で、(多少の)訂正は(受付職員がその場で気づけば)可能です。ところがオンライン申請では、何か間違いがあるかどうかすら十分には分かりません。しかし、(慣れれば)オンライン申請の速さ等の利便性は捨てがたく、このため、オンライン申請では正確無比に入力することが、窓口申請以上に大切です。補足事項はオンライン申請では入力フォームが小さく書き切れないため、最後にある「フリー欄」を活用して補足をしていきましょう。

在留申請オンラインシステムの入力途中の画面

※引用:法務省出入国在留管理庁

資料と写真のアップロード

電子ファイルの形式で、関連書類がすべて揃えたうえで、在留申請オンラインシステムに添付(アップロード)します。アップロードのファイル形式は、現段階では、関連書類はPDFのみ、かつ、1ファイルのみ、です。したがって、質問書、戸籍、住民票、各種所得証明書類と補強証拠資料等をPDFで作成のうえ、単一のPDFファイルにする必要があります。また現段階では、ファイルサイズの制限もシビアで、在留申請オンラインシステムのスタート以来、10MBだった経緯があります。判読可能であることも要件のため、PDFの圧縮も必要です。写真はJPEGです。

「入管庁に申請を行う」ボタンを押す

添付した書類、写真、入力した情報が正しいことを確認し、「入管庁に申請を行う」ボタンを押します。「入管庁に申請を行う」ボタンを押すまでの間に、「申請情報入力」があります。申請情報入力ボタンを押下すると、以降の申請内容の確認・変更ができなくなります。具体的には、それ以降には「戻る」ボタンのようなものがないので、1画面ごとに完璧に入力できているかを確認し、スクリーンショット等を撮りつつ行うことが大切です。

具体的なやり方のコツとしては、画面を見てから入力内容を考えるのは好ましくありません。例えば、申請書の記載項目については、事前に全て完全なテキストデータを用意しておくことが大切なポイントです。

オンライン申請が完了すると、在留申請オンラインシステムから確認メールが送信されます。このメールには、申請の仮番号と案内が日本語と英語で書かれています。申請の本番号は翌日にメールで送信されます。Gmail等の海外サーバーメールには届かない例が報告されたことがあるので、国内メールを使うこともポイントです。

進捗状況の確認

申請人は、申請後、在留申請オンラインシステムにログインし、審査中かどうかをチェックできますが、詳細な審査状況は開示されません。
また、申請時点での入力や添付資料に差し支えがあった場合に、審査官から連絡が来るとは限りません。また連絡あっても、申請してから1か月以上経って、連絡が来ることもあります。このため、入力内容に自信がない方は、スクリーンショットやPDFで保存しておいた入力情報と申請資料をその後も見直し、差し支えがないか、自分できちんと点検しておくことも大事なポイントです。

追加書類の提供

在留申請オンラインシステムではどうしてもファイルサイズを圧縮しきれなかった場合には追加のPDFで出すことができます。但し、現段階では、大きなファイルをアップロードするのは審査官の許可制であり、連絡あるまでタイムラグがあるため、慣れていない場合には、何日間に分けてオンライン申請作業を行うことも予想しておく必要があります。
案件にも拠りますが、初めての場合、入力内容の事前確定作業、証拠書類の事前準備で1~2か月、オンライン申請では数日以上かかる可能性があることも想定の範囲内としておく必要があります。

審査完了の通知

出入国在留管理局が申請の審査を完了すると、審査完了の旨のメールが届きます。

COEや在留カードの受領

現在の扱いでは、例えば、COEが不許可だった場合には、管轄の地方出入国在留管理局に対し、審査途中で、返信用の封筒を差し出すように連絡が来ます。この段階で不許可だとわかることになります。
他方、在留継続の申請が許可だった場合には、品川等の管轄の地方出入国在留管理局ではなく、お台場の入管に返信用の封筒を差し出すように連絡が来ます。なお、COEはメールか紙媒体で受領することになり、メールの場合には、返信用の封筒が不要となります。

受領後の手続き

在留継続の申請では、新規で中長期滞在者の場合、住民登録を行います。
COE(在留資格認定証明書)が交付された場合、次の段階の手続きが、在外公館での査証申請手続きになります。

まとめ

上記の手順は、窓口と在留申請オンラインシステムでの配偶者ビザ申請について、簡単にポイントを解説したものです。しかし、申請人と当事者は、常に最新の手続きの変更点や、最新情報を認識し、関連する必要な手続きと事前準備とを確実に行うことが非常に重要です。

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‡記事執筆‡イミグレーション戦略コンサルティングファーム行政書士あさひ東京 代表 古川 峰光

‡記事執筆‡イミグレーション戦略コンサルティングファーム行政書士あさひ東京 代表 古川 峰光

自身が国際結婚し、2万人以上の相談、20年以上の実績を有するイミグレーションコンサルタント兼行政書士。イミグレーション戦略の基盤となる渉外戸籍のマネジメント、在留資格のプログラム、来日後のライフステージに応じたサポート、永住権や国籍までの羅針盤になるようなコンサルテーションを実施。さらには、国際家族を形作ることに関わるアドバイザリー業務をコラボレーション。行政書士あさひ東京は総合的なインバウンド・イミグレーションの真のコンサルティングサービスとしてご提案致します。

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