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不法滞在とは、オーバーステイとは

 ここでは不法滞在、オーバーステイを中心としたQ&Aをまとめています。
 以下はあくまで人道的見地からの解説になります(典型は難民や子どもがいる場合や、人身売買の被害者救済等ですが、お子様のおられない国際結婚夫妻を含みます。)。長文ですが、これも、オーバーステイ(不法滞在)の全体像の一部を書いたものに過ぎません。
 オーバーステイ(不法滞在)は、難民、人身売買、家庭内暴力等の被害者等のほか、外資系企業の年収1億円のエグゼクティブが、多忙のためにうっかり1日更新を忘れただけでも「不法滞在」である一方、船底に潜って上陸して滞在しているものも「不法滞在」であって、非常に広範囲なケースを包含します。ですので、その非難可能性は全く個々に違います。不法滞在であるからといって杓子定規な対応は「外国人への人権蹂躙」になりかねない、はずなのですが、そもそも日本の入管制度は、マクリーン事件以来の最高裁の判断の流れを受けており、法務大臣と入管局の広範な裁量権を前提にしており、外国人の人権は極めて脆弱なものです。在留を希望する方にとっては、ほとんど人権はないと思って頂いたほうが実態に合致します。実際には、当事者の立場からすれば、かなり冷たいと感じる判断が多いのが実情です。その見極めと誤解(例、市役所のような甘いものだ、等の)に注意が必要です。
 日本でのオーバーステイ(不法滞在、overstay)。直訳すると、超過滞在という意味です。一般にはオーバーステイという語が用いられていますが、入国管理局では、「不法滞在」とか「不法残留」などと言います。人権救済の場面では、不法滞在という語自体に否定的意味合いがあるので、別の表現をする場合もあります。ただ、なぜか「違法滞在」とはあまり言いません。「不法」と「違法」はほぼ同義語です。法律の世界ではむしろ「違法」の語を用いることのほうが多いです。たとえば、「違法性」はよく使いますが、「不法性」はあまり使いません。また、「違法有責性」とは言っても「不法有責性」とはまず言いません。「不法」が付くので有名なのは「不法原因給付」や「不法行為」でしょう。
 オーバーステイ(不法滞在)は国際結婚手続との関係で、問題になることも多いです。もし、ある日本人が、オーバーステイ(不法滞在)の外国人と結婚しようとされるとき、オーバーステイ(不法滞在)という法的事実が問題になります。およそ法的責任は、民事責任、刑事責任、行政上の責任、に分けることが可能ですが、オーバーステイ(不法滞在)では、刑事責任と行政上の責任が生じます。

人身売買、家庭内暴力等の被害者救済と、法律実務家の社会的役割

Q:人身売買、家庭内暴力等の被害者救済と、法律実務家の社会的役割とは何か。不法滞在者であるからといって、直ちに非難可能性が存するか問題となります。
A:たとえば、母国の家族の生命、身体等に危害を加える等と脅迫され、無理矢理、あるいは、よい仕事がある等と欺罔されて、上陸し、就労させられ、超過滞在等するような事案は、表見的にオーバーステイ(不法滞在)であるものの、人身売買の被害者と解することが可能です(参考、刑法学の道具理論。)。このような事案では、あくまで「被害者」なのですから、オーバーステイ(不法滞在)との文言に拘泥(こうでい)するものではなく、「被害者」保護の視座が必要です。
 たとえば、このような「被害者」につき、日本人と真実、婚姻する意思が当事者に存在する場合、市役所、区役所、入国管理局、その他の関係機関は、たとえ不法滞在者であっても、あくまで「被害者」として人道的に保護することが、国際的に、求められているところです。この点、日本は国際的に、「人身売買監視対象国」となった経緯が存します。とすれば、入管実務に関わる民間の法律実務家の役割としては、現行法や不法滞在に係る現行制度上、可能な範囲内で、果敢に、係る「被害者」保護に取り組むことが求められていると言えるでしょう。最近、行政も取り組みつつありますが、オーバーステイ(不法滞在)の性質上、限界があり、民間の法律実務家が草の根レベルで、人権救済しない限り、手続を誤る等、救済されない案件が多数あるのが事実です。
 以上から、行政書士会の報酬統計に、「在留特別手続」を掲げていることもあるし、入管で見かける法律家はほとんど全て行政書士バッジをつけている人だけで、行政書士しかいないというのは事実化しているのですから、行政書士会としても、「人身売買の被害者保護」に取り組むのは社会的責任であると解します。
 在留希望での出頭申告が最も多かった時期の、東京入国管理局の調査部門の場合、毎日、10人程度は行政書士が、人道的配慮を請願して、オーバーステイ(不法滞在)に係る出頭申告手続に付添っており、そのうちかなりの割合が、係る人身売買の被害者救済に該当すると解されます。このことは、単に被害者救済の意味があるだけではなく、オーバーステイ(不法滞在)する人数を減少させることにもつながることであり、行政書士の社会貢献活動の一環にもなっています。この点では、在留希望だけではなく、帰国希望(出国命令等)への付き添いも不法滞在者を減少させることに他ならないわけです。たとえば、オーバーステイ(不法滞在)する人の中には、入国管理局を怖れ、どうしても帰国しようとしないケースもありますが、出国命令制度等に付き、行政書士の立場で帰国のモチベーションを付与可能なわけです。
 なお、行政書士は、基本的に、入国管理局に名刺等を出しており(入国管理局から求められる場合が多い。)、出された名刺等は、一件記録に最後まで添付され、当該案件の処理の上で、重大な役割を担っています。したがって、受任に際しては、極めて細かな実体の把握を行います。行政の立場上、できない調査や聞けない質問でも、民間の立場では、私的自治の法理等の枠内で可能ですので、行政は、民間の活力(行政書士)を積極的に活用するべきでしょう。特に在留特別許可の場面では、裁判所は基本的に司法消極主義であり、入国管理局での立証活動で夫婦の運命が決まってしまうケースが多いため(やり直しがほとんど効かないという意味です。)、適正手続の補完の見地から、法律家の役割が非常に重要になります。

オーバーステイ(不法滞在)の問題/不法入国、不法出国の刑罰と入国管理局

Q:オーバーステイ(不法滞在)の場合、どういう問題があるのでしょうか。
A:最近、テレビ等のニュースで、パトカーの追跡を受けた車が逃走し、逃走中に通行人をはね、死傷させるという重大な交通事故がありました。犯人は車を置いて逃げた女性とのことで、すぐつかまるだろうと思われました。ところがその女性はタイ人女性だったのです。報道によれば、不法滞在が露見するのが怖くて、必死に逃げたそうで、その結果、人をはねてしまったのです。この出来事は「不法滞在は犯罪を誘発しやすい」との入国管理局当局の見方を露骨に裏付ける結果となってしまいました。
 また、オーバーステイ(不法滞在)では、一般には「国民健康保険」には入れません。病気になったり、妊娠した場合に困難な状況になります。たとえば、オーバーステイ(不法滞在)の場合、普通の病院にも行けない場合があります。病院によっては、不法滞在であるとして警察に通報することもあります。そのため、無資格の者がいかがわしい医療行為を行うことがあります。最近のニュースですが、無資格で助産を行い、オーバーステイ(不法滞在)の母子を死亡させたとして、逮捕されたこともあります。
 その他、オーバーステイ(不法滞在)の一番大きな問題は、遅かれ早かれ、いずれは摘発され、日本から強制送還されるという点です。また、オーバーステイ(不法滞在)では、警察その他の行政の助けを得ることが実際上、困難です。たとえば、妻や夫のオーバーステイ(不法滞在)を理由に反社会的勢力等に脅迫・恐喝されて金員を要求されても、警察に行けず、被害を拡大させることにもなります。

Q:私の婚約者が偽造旅券で入国し、不法滞在していることを、本人から初めて聞きました。聞けば、家族を養うのにどうしても必要だったとのことです。今、日本に不法滞在しているのですが、偽造旅券である以上、何も申告せず、そのまま偽名のまま、いったん帰国させようと思います。何か問題はあるでしょうか。
A:帰国するのは、本人の意思の問題ですが、偽造旅券で帰国するのは、密出国等罪(入管法71条)で、法定刑は最高1年の懲役となり、違法です。違反に違反を重ねることになり、そのことが、将来の呼び寄せの際に、決定的なマイナス要因になって、不許可を招来することにつながります。特に空港で偽名のまま出国しようとして、露見した場合には、最悪であり、入国管理局は本気で警察に突き出すと思われ、前科が付ける形で裁判所で処罰され、その直後に入管に移送されたうえでの、退去強制処分になるのが一般的です。

Q:偽造旅券のままで結婚したらどうなりますか。
A:別人に成りすましているわけで、夫婦双方、公正証書原本不実記載罪(刑法157条1項)、国家に対する詐欺罪、私文書偽造罪、等の併合罪等の共同正犯です。子どもの父母欄の名前や戸籍も虚偽になりうる等、半永久的ににその影響が残ります。たとえば、交通事故等がきっかけで、仮装が露見し、永住許可まで得ていた外国人が、永住許可が無効となり、不法滞在となって、退去強制手続になることもあります。他方、偽造旅券のまま、堂々と短期滞在から日本人の配偶者等への変更申請をし、半年以上待たされたうえ、偽造旅券であると指摘され、不許可と同時に不法滞在として収容され、強制送還される、等々、あさひ東京総合法務事務所での過去2万人以上の相談例の中では、類似の事例に枚挙に暇もありません。あさひ東京総合法務事務所では、そうした方々のご認識を何度もお聞きしたことがありますが、大半の方は、あまり深くは考えていなかった模様です。しかし、そうなってから、あさひ東京総合法務事務所に「何とか御願いします!」、とご相談頂くケースが余りに多いようです。
特に男性側が外国人で、女性側が日本人のケースでは、そうなる事例は、その逆よりも、経験則上、多いように見受けられます。これは性差別ではなくて、次のような背景です。つまり、女性側が不法滞在ではないかと心配になって男性側に法律家に相談したほうがよいと主張するのですが、男性側外国人は、日本人ではないので、状況を理解できず、頑固に耳を貸さず、破綻してしまうケースです。
なお、同様に不法滞在状態が露見した夫婦の話ですが、今まで、隠してきて、毎日が心配の連続だった、当局に露見して、ある意味、心理的には、楽になった、と聞いたこともあります。それで許可されればいいのですが、そうならない場合が最近は増えています。

Q:本当は日本で出合ったのですが、日本ではなく、知人の紹介でフィリピンで出合ったことにして、本名で結婚し、いったん帰国のうえ、新たにフィリピンから呼び寄せたらどうなりますか。
A:昔、フィリピンの案件が業界で多かった時代の感覚の名残ともいえますが、「知人の紹介でフィリピンで出合った。」、というお話を伺いますと、その内容にもよりますが、「仮装ではないか。」、「実は日本にオーバーステイ(不法滞在)していたのではないか。」、との嫌疑がまず生じる場合がありますので(※これは決して、失礼申し上げているわけではなく、あさひ東京総合法務事務所の意見ではなく、審査実務の傾向を申し上げております。)、その線でチェックされる場合があります。
まず、出会いのきっかけをチェックされ、たとえば、関係者宅等に電話が入り、出会いのきっかけの仮装が露見することもあります。さらに、在外公館でも始めから信用されていないために、オーバーステイ(不法滞在)歴のチェック等の執拗な面接で拒否処分に至る場合も多いです。なお、成田空港等で、面接がある場合もあります。そうしたオーバーステイ(不法滞在)の隠匿等の仮装の結果、4年間もビザ申請し続けていて、二度も三度も不許可となり、未だに許可にならない方が実在します。また、そのような申請はそれ自体が、虚偽申請ですので、長年の実績のある行政書士は一切、お手伝いできません。といいますのは、公務員の世界では民間の業者等(※法律家を含む。)をきちんとみています。きちんとした仕事をしている実績があるなら、それ相応に扱われます。たとえば、入管相手でも、行政書士が、きちんと仕事しているなら、入管からきちんと評価されています。つまり、入管から許可を円滑に得るには、入管との長年の信頼関係が大切なのです。たとえば、いい加減な仕事ばっかりしているなら、相応に評価されます。

オーバーステイの法理論

 オーバーステイ(不法滞在)では、結婚が困難な場合があります。この点、オーバーステイ(不法滞在)では、結婚が不可能と考えているかたも多いようですが、夫婦が婚姻したい、というのは人権問題であり(憲法24条。「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」。)、日本国法においては、政府がこれを遮るような法システムにはなっていません。但し、裁判所と入国管理局は、「不法状態での婚姻は保護に値しない」、と考える傾向にあることも指摘しておく必要があります。
 ただ、外国法がこれに影響して来る国際私法レベルの問題が生じうるのがこの種の渉外婚姻の注意点です。また、法的には可能なはずなのに、事実上、結局、結婚できない事案もあります。たとえば、入り口に当たる区役所や市役所での婚姻届の提出が拒否される例が多いです。そのうえ、オーバーステイ(不法滞在)でも結婚できることと、日本にいられるか否かは法的には別の問題です。ですので、オーバーステイ(不法滞在)でご結婚なさるときはこの点に留意なさってください。つまり結婚しただけでは、オーバーステイ(不法滞在)には変わりなく、日本にいられることが保障されるわけではないです。
 またオーバーステイ(不法滞在)の場面では、偽装結婚は勿論、厳しく審査されますが、逆に婚姻関係は真実なのに、許可されないケースも非常に多くあります。婚姻の実態(入管業界では「実体」よりも「実態」を多く用います。)がないときは許可されませんし、これを一時的に実態があるかのように仮装しても許可されません。他方、実態があるにもかかわらず、不許可になることがあります。これの背景には、入国管理局での立証責任は外国人側にあるということを理解されていないことが一因となっています。つまり、客観的に真実であっても、立証がなければ、無いとみなされるのです。そして入国管理局は、外国人側の立証活動を助けることをしておりません。なぜなら、国会が作った法律が、そういう制度設計をしていないためです。つまり入国管理局は市役所とは全く異次元の国家機関なのです。外国人裁判所だと思って頂いたほうが実態に合致します。

その他のオーバーステイ(不法滞在)に関する事例

Q&A

FAQ

Q:偽装結婚の擬律(ぎりつ)。
A:婚姻意思が無いにも関わらず、婚姻するのを偽装婚と言います。ちなみに、法律行為の当事者に意思が欠缺している場合を仮装行為と言いますが(民法94条)、あまり「仮装結婚」とは言いません。この点、「偽装結婚」が犯罪だということをご存知でしょうか。実態がないにも関わらず、婚姻した場合、公正証書原本不実記載罪(刑法157条1項)の構成要件該当性が生じうるのです。実際、この構成要件はかなり重い違法有責性が推定され、警察・検察は積極的に立件しています。

Q:「オーバーステイ」(不法滞在)の擬律。
A:「オーバーステイ」(不法滞在)で逮捕されて警察の留置場に入れられ、裁判にかけられ、有罪になることはありますので、決して甘く考えないことが大切です。1年以上の懲役になると、執行猶予がついても、実務上、永久に日本へは来れないようになるのが原則です。不法入国の基礎率は高いです。他方、不法残留の場合に起訴するかどうかは、都道府県警と検察、時期、態様、個別の事情等によるため、一概に言えません。

Q:偽装親子(ぎそうしんし)関係の擬律。
A:基本的には、偽装結婚と同じ擬律です。つまり、公正証書原本不実記載罪(刑法157条1項)で逮捕されることがあります。DNA鑑定まで要求されることがあります。

Q:偽変造旅券(パスポート)での入国の擬律。
A:不法入国罪(入管法70条1項)。法定刑は最高3年の懲役。

Q:偽変造旅券(パスポート)での「出国」の擬律。
A:密出国等罪(入管法71条)。法定刑は最高1年の懲役。

Q:そもそもどういう人のことをオーバーステイ(不法滞在)と称するのですか?
A:許可(ないし一定の除外事由)のないまま在留期限を一日でも過ぎると、「オーバーステイ(不法滞在)」です。たとえば、いかに平穏公然に在留してきて、日本人配偶者がいて、日本人の子どもがいても、また、単に、多忙のあまり、うっかり更新期限を忘れていただけでも、そうなります。ただ、無論、オーバーステイ(不法滞在)の違法性の強弱は、その長さや態様等に左右されます。

Q:オーバーステイ(不法滞在)の場合、本当に捕まるのでしょうか。
A:長年の経験則上、余り危機感がない方が多かったので、明瞭に書いておく必要が御座います。オーバーステイ(不法滞在)というのは法令に違反している犯罪そのものであって、懲役刑まで規定されており、進んで行うようなものではありません。違法性のレベルは、言い渡される刑罰からみれば、覚せい剤で逮捕される事案と大差ありません。オーバーステイ(不法滞在)の場合、いつ逮捕ないし収容されてもおかしくはありません。捜査当局は事情を知っていても、関係者を一網打尽にするために泳がせているだけのこともあります。繁華街等で職務質問され外登証(在留カード)や旅券不備で、その場ないし任意同行のうえ、逮捕される類型もよくみられます。さらに友人のお店へたまたま遊びに行ったところ、そこが警察and/or入国管理局の摘発対象となっており、摘発に遭遇したような場合もあります。他方、友人が逮捕され、そこから芋づる式に捜査や調査の手が及ぶこともあります。
また、意外に多いのが万引きや薬物事犯で捕まるケースです。日本は万引きや薬物事犯に甘くはありませんので、パートナーの考えが甘いようなときは、注意が必要です。
他には、稼動中の店舗でお客さんとトラブルがあり、お客さんが警察に通報して(通報すれば警察は本当に来ます。)、お店まで警察が来て、不法残留等が発覚し、摘発される例もあります。
さらに、入国管理局のホームページで、不法滞在の外国人の情報の第三者からの通報を受け付けるようになっています。差別を助長するとか、人権上問題である等の批判を受けていますが、WEB通報システムは残されています。いずれにせよ、日本では「外国人の人権」など無いも同然だという自覚が必要です。もっとも、裁判所と入国管理局の意見では、そもそも法令に違反しているのだから、権利を主張するのはおかしいなどと言われるのです(※これは決して、あさひ東京総合法務事務所の意見ではなく、裁判所と入国管理局の傾向を申し上げております。)。

Q:私は、とある国の外国人女性と結婚しようと思い、インターネット上で、情報を得て、都内にあるその国の大使館へ行く必要があると分りました。妻の友人もそこで、婚姻要件具備証明書をもらったと聞き、大丈夫だと思いました。そこで、女性と一緒に大使館まで行きました。しかし、大使館付近で彼女は、警察官に職務質問され、オーバーステイ(不法滞在)で逮捕されてしまいました。まさか逮捕されるなんて思いもよりませんでした。後から、これは非常によくある話だと聞きました。現在、彼女は、入国管理局の強制収容所に入っていますが、何とか、在留許可をもらう方法はないでしょうか?彼女とは固い絆で結ばれており、愛し合っています。
A:原則として結婚がまず成立しないと、スタートラインにも立てない場合が多いです(また最近では、婚姻が成立しても、在留特別許可がされない事例が増えています。)。そもそも、違反していない普通の配偶者ビザであっても、不許可になるのが珍しくないにも関わらず、違反案件での配偶者ビザというのは、ハードルが高いことをまずご理解頂く必要が御座います。
ところが、本人は収容されているわけです。そのうえ結婚が成立したとしても、強制送還になる場合も多いです。こういう案件は、それまでのお二人の経緯、現在の状況、本人の供述内容、違反歴、収容令書による残りの収容期限、人権救済活動をする法律家の経験と知識と技量(対応の早さを含む。)等の総合判断で決まりますが、あまりよろしくないのが、依頼される時点で、もう本人の取り調べがスタートしており、本人に不利な供述をしているケースが多いのです。時間(収容期限ないし退去強制令書の発付までの時間)との戦いになる場合も多いです。国際結婚手続を通常よりも早くやる方法もありますが、国籍や状況によって異なります。

Q:子どもが生まれればつかまりませんか。
A:実際には生後数か月の日本国籍のある子どもがいる状態で、オーバーステイ(不法滞在)の外国人夫が逮捕+収容されることもありますし、他方、小さな子どもがいても、父親と母親を収容し、児童は児童相談所に預けることも日常茶飯事です。しかも日本人と婚姻し、同居歴も非常に長期で、かつ、入国管理局への自主出頭後ですら、オーバーステイ(不法滞在)に変わりはないので、そういう扱いはあります。
オーバーステイ(不法滞在)であるから責任を負うのはやむを得ないとはいえ、一般に、こうしたことがなされる背景には、証拠書類等に何らかの瑕疵があり、疑われる場合もあります。収容後に当事務所に相談があり、事情をお聞きし、証拠書類を拝見することもありますが、婚姻の真実性は存するものと推定できても、それをきちんと立証に結びつけていない事例があります。あるいは、昨今の事情によりオーバーステイ(不法滞在)への法務省ないし入国管理局当局の見解が流動的になり、一罰百戒的に収容されることもあります。参議院のホームページ(http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/145/syuh/s145017.htm)をご覧下さい。「・・・法務大臣は新聞報道にもあるとおり、事件記録も十分に検討せず、大量の在特不許可処分(出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)四十九条三項の「異議の理由がない」との裁決)をした疑いが強い。その結果、多数の行政訴訟が提起されているところ、そのほとんどの原告が身柄を収容されたままである。・・・」と参議院の公式記録で明記があります。つまり、オーバーステイ(不法滞在)で、在留特別許可を求めて出頭申告するのは、恐ろしくリスクのある行為であって、かつ、失敗した場合の救済措置がほとんどありません。それでは、行政訴訟で救済されるか。答えは大半の場合は「NO」です。理由については、amazonで瀬木 比呂志 元裁判官が書かれた、「絶望の裁判所」という本が出ておりますので、そちらのレビューでご覧下さいませ。
入国管理局はこの不法滞在の場面では、基本的に法律上、極めて広範な裁量的判断で行政処分(収容や異議の申し出に理由がない旨を裁決)できるのです。そして、入国管理局は先例に従わない権限があるのです。類似の例は多数あります。

 もっとも、当初の出頭準備から入国管理局専門の法律家の適切な立証・防禦活動等の人権救済措置を受け、なおかつ出頭時に入国管理局専門の法律家が付き添いしたような場合には、そのような不利益処分の可能性は逓減するのが実際です。従来から、このような事情をご理解されておられるご夫婦の場合、初回出頭者の過半数は行政書士が人権救済しており、それが事実であったことを指摘できると思われます。

 オーバーステイ(不法滞在)は裁判になれば、前科まで付いてしまいます。そして、入国管理局は、本来は、不法滞在者を警察に告発しなければなりません(刑事訴訟法239条2項)。前科がついていいと考える方はおられません。不法滞在は決して許されない行為であると同時に、夫婦の家族的結合とを、いわゆる「法益衡量」しなければなりませんが、日本人側の配偶者の利益は驚くほど軽く扱われています。絶対に自己流で行うことのないよう強くお奨めしたいところなのですが、そういうことを書きますと、「宣伝」だなどと誤解される向きがありますので、控えめにしか申し上げられません。
ネット上に安易な情報を発信されている方については、一組の夫婦や家族の人生に責任を負えるほど、実践を重ねているのか疑義が存します。

Q:入国管理局に言われたとおりにすれば良いですか?
A:言われたとおりにされて、収容されるのは入国管理局の不法滞在に係る日常的な取り扱いです。どういう方が入管職員になるのか、については、2ちゃんねるの「公務員試験板」で、「入国警備官」関係のお話をご覧頂けば参考になります。不法滞在で摘発するのは、通常、この入国警備官であることが多いです。さらに、「広島入国管理局審査官が申請を勝手に不許可」事件につき、グーグルやヤフーで「広島入国管理局」+「逮捕」等で検索されて下さい。
入国管理局の職員は、公安職ですが、できるだけ不法滞在者等の違反者を多く取り締まることが、職場での成績となります。たとえば、成田空港で外国人との関係を問われた招聘人が、「知り合ったのは、なぜ、いつ、どこで、何時に会いましたか?」などと聞かれて答えられずに上陸拒否された際、その入国審査官は明らかに最初から不許可にする意思だった、という話もしばしば聞きます。
当事務所は日本人で行政書士ですが、もし外国人だった場合、入国管理局は、できればなるべく関わらないように致します。長年の経験則上、いいことも悪いこともありますし、いい審査官も悪い審査官も両方存在するのですが(※これは裁判所と同じです。)、正直申し上げてあまりに可変的であって、金融用語で言えば、「ボラティリティ」(volatility)が高すぎます。つまり危険だという意味です。
これは、ある外国人女性の出頭申告に同席した際の話ですが、その方は、オーバーステイ(不法滞在)していた経緯があり、入国管理局に対し、「PTSD」(心的外傷後ストレス障害)の症状を呈し、入国管理局庁舎内のエレベーターでたまたま入国警備官と同じになった際に、「怖い」と震えておられました。
入国管理局は審査の基準が明確に定められたものがない場合が相当多く(法令では概括的な規定しかない場面。)、裁判官のように裁量権が大きいこと、結果として、一部の担当官の個人的な考え方で大きく左右されてしまう等の背景も相俟って、社会通念上、極めて非常識にみえる不許可をしている場合があります。しかし、何が常識なのかは、一概に言えないわけです。法令に違反した途端、法令を守らないような人に常識を言われる筋合いはないと裁判所や入国管理局には言われてしまいます。
このことは、入国管理局の職員の方々もそうだと思われます。入国管理局の職員の方々が一番、入国管理局がいかに不法滞在その他の外国人を自由に処分できるか、自ら裁いて、多くの人生を改変されてきたことですので、ご存知ではないでしょうか。つまり、入国管理局を知っている人ほど、入国管理局を「ボラティリティ」(volatility)が高いと思うものです。その証拠に、特定の案件を入国管理局の審査官に打診する場合、よほどのことがない限り、たいてい、許否は分からないと言われます。これは決して、自己防衛のためだけに言われているのではなく、本音で分からない、保証できないのです。つまり「何が起きるかは、経験則上、本当に分からない場所」という意味です。
許認可を扱う行政機関に一般に共通する問題は入国管理局も同じなので、ここで指摘する意味はないですが、入国管理局も申請内容のあら捜しをして、不許可の理由を探すことだけに腐心されているようにしか見えない場合もあることを指摘できます。裁判所と同じで、「結論先にありき」な場合が多いため、申請する側からすれば、最初の申請、最初の入管へのコンタクトが一番重要だということを指摘できるでしょう。最初の段階で失敗した場合、後から是正するのが難しくなります。そういう意味で、警察行政と入管行政は似ています。冤罪や過剰な処分が出てしまう制度設計だという意味です。ところが警察なら刑事弁護があるのに、入管だとそれすらないため、市役所と同レベルだと勘違いされた方々不利益を被っています。換言致しますと、入国管理局の審理構造は、「糾問主義」であって、「当事者主義」ではなく、なおかつ、裁判所は外国人の処分には、司法消極主義で入国管理局の審査を違法と判断することがほとんどありません。たとえば、その昔、藤山雅行裁判官が築いた数々の外国人勝訴判決は、東京高裁でことごとく逆転されています。
冤罪を防ぐには、刑事弁護制度のような、国選弁護は勿論無いわけですが、違反案件での審査の厳格性を理解しないまま市役所に結婚届を出すような感覚で誤解したまま出頭申告される夫妻が余りに多すぎるところであり、「在留特別許可は容易なものではありません。入国管理局には立証する責任はないため、最初から法律家に依頼する等してきちんとした立証をしないと、本人が不利になります。」という趣旨のアナウンスを、きちんとホームページに載せる等して、行政側が行うほうが好ましいと思われます。
実際、元々、難事案のケースにつき、仮放免申請して不許可になった事案で、身元保証人に関する人道的配慮を要する事実を主張したところ、逆にそれを身元保証能力の減少と見て不許可の一因にされる場合もあり、単純に人道的配慮を要する事実を主張すればよいわけでもありません。
つまるところ、「入国管理局」は、不許可理由など、いくらでも持ち出すことは可能なのです。ちなみに、「外務省」は不許可理由すら言わない内規になっていますが、入国管理局もオーバーステイ(不法滞在)の場面に限っては、たとえ強制送還することが決定し、在留希望の請願を却下したとしても、その理由は通常、言いません。なぜなら、請願を拒否した理由を言う法的義務は無いからです。その理由は不法滞在者だからです。
入国管理局を専門とする行政書士の場合、海外旅行もしたくなくなるのでは、と思います。と申しますのは、どこの国の「入国管理局」(移民局)等も「外国人」をどう扱うのかは、ほとんど自由です。日本人も一歩、国から出れば「外国人」であって、何の保証も無くなるからです。当事務所では外国人のクライアントから、「日本の入国管理局は酷い。」としばしば言われますが、「メルボルン事件」のように、どこの国も大同小異です。

Q:オーバーステイ(不法滞在)でつかまってから結婚しても間に合いますか。
A:多くの事案では、間に合いませんが、やり方次第で、間に合う事案もあるので、まずは今すぐご相談なさったほうがよろしいのではないでしょうか(「宣伝」だなどと誤解される向きがありますので、控えめにしか申し上げられません。)。間に合わないとは、オーバーステイ(不法滞在)で強制送還になる、という意味です。それにそもそも、外国人との結婚は、日本人同士のように簡単かつ短時間ではできません。然るに、オーバーステイ(不法滞在)で収容された後、残された時間はほとんどありません。同じことは、不法滞在を措定せず、在留資格(在留期限)のある事案で、薬物事犯や窃盗等で有罪判決を受けた事案にも当てはまります。執行猶予を得ても、直ちに強制送還手続きが開始され得ます。法24条4号の2等参照。この辺りの条文は専門外だと「検察官」ですら間違えますので、注意して下さい。

Q:オーバーステイ(不法滞在)で強制送還になっても日本に戻ってこれますか。
A:法律上は、原則、5年間(又は10年)入国できませんし、5年(又は10年)経っても不法滞在での違反歴が残っているので、審査は厳しくなります。たとえば、近年、あさひ東京総合法務事務所で扱っておりますのが、学生のころ日本で不法滞在してしまった方が、その後、母国で大きな企業の社長となったところ、その後、何回、在外公館に、査証(短期商用)を申請しても発給を拒否されているという案件です。つまり、5年(又は10年)経っても来れない方のほうが多いです。5年(又は10年)の経過は、入国の権利を保障したものではないためです。
また、裁判になって、1年以上の懲役(等)になると(執行猶予の有無に関わらず)、法的には、基本的に、一生、日本へ来れません。その状況で日本へ来る手続きは至難を極めますが、刑法総論の考え方を背景にした例外もありますので、さしあたり、ご相談はして頂けます。
なお、2004年末の法改正は要件が特定されていますし、実務上は、単純に法改正をそのまま実行されるなどと解することは、できないことに注意が必要です。なお、人道的配慮によって特別に、5年等の長期上陸拒否期間が経過する前に、上陸許可される手続については詳しい事情をお聞きする必要があります。

Q:オーバーステイ(不法滞在)していましたが、また偽造パスポートで入ってこようと思いますが。
A:バイオメトリクス認証が導入されましたので、通用しません。そもそも外国人登録自体、以前は、全件指紋押捺主義だったのです。

Q:妻(夫)の離婚が必要なのですが、長年放置しております。
A:離婚可能な場合もあります。やや特殊な事案になりますが、あさひ東京総合法務事務所では、行方不明の前夫を探し出し、協議離婚できたうえで、在留特別許可を得た事例もあります。なお、オーバーステイ(不法滞在)の問題と離婚手続きの可否の問題とは、本質的には、違う法律問題です(不法滞在は、入管法、離婚は民法。)。
ちなみに、現在、婚姻している妻(夫)に無断で離婚届書を偽造し、提出するのは重い犯罪(私文書偽造・同行使罪。刑法159条、161条。)です。以前、テレビの法律系番組でも紹介されてましたが、勝手に離婚届を出してしまうケースは少なくありません。夫婦の問題ということで、違法性の意識(規範的障碍)に乏しいのだと思いますが、完全に違法ですので、ご注意ください。この場合、民事的にも、離婚は無効です。なお、違法な離婚の疑念がある場合、入国管理局では、電話記録書等の形式で、相手方へ聴取し、事実を確認する場合もあります。
なお、前婚が偽装婚であって、後婚が真実の婚姻であった場合、前婚の解消の手段は、法理論的には、離婚ではなく、「婚姻無効の訴え」です(新注民(21)308頁等。なお、異説あり。)。偽装婚は実体法上、無効であって(確認の訴説。)、届出していても無効です(新注民(21)174頁等。)。婚姻は成立していません。その人は独身のままです。したがって、離婚という概念になりません。将来効ではなく、当初から無効です。この法理の帰結として、婚姻無効の場合、いわゆる待婚期間が生じません。但し、司法権の判断等で、結果的に「離婚」という形態になる場合はあります(無効の司法的判断が困難な場合があるため。)。また、これは法理論の問題であって、実際には協議離婚にしてしまう場合も多いです。ただ婚姻無効と協議離婚では法律効果が全く異なるので、安易に選択はできず、法律効果をよく見極める必要があります。

Q:妻のパスポートはプロモーター(又は、実習先等)が持っているのですが。
A:その状況でも配偶者として、適法かつ正当な人道的手続きを進めることは、原則として、可能です。

Q:妻(夫)はパスポートを持っていないようなのですが・・・。
A:その状況でも配偶者として、適法かつ正当な人道的手続きを進めることは、原則として、可能です。そもそも、在特自体、旅券は不可欠ではありません。ネットで専門外の方が作ったサイトを拝見していると、事実に反することが書いてあるものです。

Q:明らかに人道上、在特相当な事案で、在留希望なのに、帰国指導する事務所があるようですが。
A:法律業界と申しましても、色々なお考えの事務所があり、外国人の法律問題に真に前向きに取り組んでいるところと、そうでない(看板だけな)ところと御座います。

Q:個人情報は守ってくれますか。
A:行政書士には医師や司法書士等と同様の行政書士法上の「守秘義務」があります。

Q:相談したいのですが、迷っています。
A:当事務所は積極営業をしておりませんので、事後的な営業も御座いません。たとえば、ご依頼頂かなければ、こちらからお電話させて頂くことも御座いません。ご相談頂いても、継続的なご依頼がなければ、本当にそれ限りですので、お気軽にお越し頂けます。もっと早く相談していれば・・・と(収容や退去強制された後等に)後悔する方が多いのが実情です。出会ったきっかけ等によっては、潜在的なトラブルを多数抱えている場合があり、当事者の婚姻意思が決まり次第、法律専門家の法的ケアが望ましいです。

Q:出頭したあとに、警察にオーバーステイ(不法滞在)等で逮捕されることはありますか。
A:ある場合もあります。出頭したら逮捕されることはない、などと言うウワサは事実に反します。そもそも在宅案件の場合、仮放免まで長期間、警備部門に案件の係属が保留にされたまま、つまりは不法滞在のままの期間が続くことに注意してください。そして、警察は入国管理局とは基本的に独自に動きます。
他方、不法滞在で出頭したら必ず逮捕される、というのも事実に反しますし、出頭することに何の意味もない、というのも事実に反します。たとえば、刑事手続の「自首」(刑法42条1項)は、これは「政策的な理由のほか、改悛による非難の減少もその根拠」です(団藤重光・刑法綱要総論[3版]525頁。元最高裁判事・東大名誉教授)。非難の減少とは責任減少事由であることを意味します。この点、確かに刑事手続と行政手続である入国管理法は異なります。しかし、オーバーステイ(不法滞在)は「収容」に係るゆえ、「身体の自由を奪う行政的措置については」(樋口陽一ほか・注釈日本国憲法上巻、714頁。)、刑事手続上の適正手続等の法規範の趣旨は準用することが可能であるところ、自首ならぬ「自主出頭」したときの非難可能性は同じく減少すると解せられるのです(但し、入国管理局の審査官の中にはこの意味の非難可能性の減少を否定的に解する見解が存します。)。実務上も、実体が同じ内容のオーバーステイ(不法滞在)につき、明らかに自主出頭とした場合と摘発した場合を区別しています。
但し、近年、入国管理局側の厳格化により、自ら出頭申告した日本人との間のご結婚の夫妻でも、不許可になる事例は増えています。
なお、念のため、付け加えますが、「逮捕」と「収容」は異なります。刑事手続で「逮捕」されなくても行政手続で「収容」されることはありますし、逆に「収容」されなくても「逮捕」されることはあるのです。
オーバーステイ(不法滞在)の問題は、一個の学問分野と解され、研究と実践が必要です。同じ法律家でも専門外では対応できないほどです(検察官ですら間違えます。)。
外国籍の場合、とかく日本人と異なる取り扱いがあり、法益侵害の軽微な万引で逮捕されて、日本人なら保釈されるはずが、外国人なので、容易に保釈されないといった事象があります。不法滞在ではなく、在留資格があってもです。なお、「保釈」と「仮放免」は全く違います。

Q:お店等で知り合った場合、知り合ったきっかけについて、どう入国管理局に説明すればよいでしょうか。
A:知り合ったきっかけは、不法滞在であってもなくても、申請自体の信憑性のほか、婚姻の安定性・継続性・信憑性等の見地より、極めて重要です。外パブ、スナック系の場合、悩む必要は通常はありませんが、説明の仕方に配慮が必要です。整体、エステ、マッサージ系の場合でも同様です。その他の風俗系の場合は内容によりけりです。
さらに居酒屋やレストランで声をおかけになったとか、毎日道で見かけていたところ、自然にお知り合いになった等という場合でも、それが真実である限り、在特や仮放免の許可・不許可を直截に決定するものでは御座いません。
あさひ東京総合法務事務所では、過去2万人以上の相談経験から、無数の「知り合ったきっかけ」を伺ってきており、いかなるきっかけであろうとも、あさひ東京総合法務事務所の行政書士は、ほとんどが相談経験の射程内のため、全く驚くことは御座いません。また、当事務所では人身売買等の売春の被害者保護の案件も扱っており、形式的に不法滞在だからといって、直ちに要保護性を否定することは、日本が「人身売買監視対象国」になった原因になっていると考えております。

Q:外国人妻が、自分の仲間うちの知り合いに任せたいと言っているのですが。
A:その問題は、一般論においては、以下のように類型化できます。但し、下記の「A類型」でも、日本人側配偶者に外国人側が全幅の信用を寄せているのであれば、日本人側配偶者の判断に任せるものです。日本人側配偶者の判断に任せないとすれば、夫婦の信頼関係が足りない場合が多いです。なお、あさひ東京総合法務事務所の代表行政書士も国際結婚しておりますが、仮に自身の妻が、夫の推奨しない法律家を、妻側のコミュニティから連れてきた場合、理由を聞きますが、たいていの場合、「友だちがこの人がいいって言っていた。」程度の理由です。そのような理由では採用に値しないので、必ず、日本人側の目で、法律家を「足で」探します。「足で」とは実際に面談してみて、信用できる法律家かどうか判断するという意味です。そしてここは日本ですから、日本人の目を信用して欲しいといいます。それでも外国人側が、仮に日本人側の言うことを信用せず、外国人側の選んだ法律家がいいと主張する場合、それは日本人側が信用されていないという意味ではないでしょうか。なぜなら、国際結婚している当事者としての経験で申し上げますと、当事務所の代表行政書士とその周辺の国際結婚夫妻で、仲の良い夫婦の場合、日本人側の夫の選択を外国人妻側が尊重するケースしかありません。といいますのは、ここは日本です。日本のことは日本人が一番よく知っています。もし、逆の立場で、日本人側が外国人側の国で生活していて法律家を探す場合、その場合には外国人側配偶者の意見を尊重するほかないでしょう。何しろ、相手の国の中でどの法律家がいいかなどは、全く分かりません。よくありがちなのが、自分と同じ言語を話せるかどうかで選ぶ、という話だったりしますが、その条件で選ぶと、極端に選択肢が狭まり、実績や能力に乏しい法律家になってしまう(本当に有力な法律家を選べない)ものです(たとえば、米国で日本語を話せるLawyerに限定して探すような場合。=本当に有力な法律家は英語ネイティブの人の中にいます。)。そもそも配偶者案件の場合は、日本人側配偶者が外国人側配偶者に対し、法律家からの説明を説明すれば、100%足りるのです(※大半の夫婦は説明できる程度の、コミュニケーション能力はおありです。)。
ところが、仕事として行政書士として、国際結婚案件に関わった場合、「外国人妻が、自分の仲間うちの知り合いに任せたいと言っている」というケースがしばしばあり、違和感をもちます。このことは、業務上、重要な場合があるため、以下のように分けております。

(A類型)
[日本語をそれほど話せず、また日本人との付き合いも希薄な外国人の方]
一般論においては、概して、自己の属する外国人コミュニティの範囲内で何事も処理しようとする傾向があり、日本人を信用しません。その結果、無免許、無資格の不法滞在ブローカーやマフィア的な悪質な業者の餌食となるか、又は、善意にせよ、自分の個人的経験だけの不法滞在に係る知識が、あたかも普遍的で、今も通用するかのように教える同国人友だちに、誤った教導をされがちです。説得しても無駄な場合も多いです。また、自分の仲間うちの知り合いに任せたいと言っている場合、不法滞在だけではなく、何か日本人側に事実を隠匿している場合があります。

(B類型)
[日本語を相当に話せ、読み書きもでき、また日本人との付き合いも濃厚な外国人の方]
一般論においては、概して、日本人を信用します。特に、当事務所の経験的知見においては、外国人(無論、いわゆる新来外国人が前提です。)で、日本語能力が日本人のネイティブ並みに上達し、日本社会との濃厚な付き合いを持っている人になればなるほど、日本人を信用する「傾向」が生じます。一概には言えないのは無論ですが、そういう「傾向」はあります。そういう状態になった外国人の場合、自分から、行政書士事務所まで相談に来る場合も多いです。また、行政書士事務所の意味も理解するようになります。たとえば、中国人でもそうです。日本人並に日本語が話せるようになった中国人の方々に、「なぜあさひ東京総合法務事務所を選ばれたのですか?なぜ中国人の事務所に依頼しませんか?」とお聞きすると、みな異口同音に言います。「中国人の事務所は信用できない。日本のことは日本人が一番いい。先生のところが力があると聞いた。(笑)」と、笑っておっしゃるのです。これが事実です。頷く方も多いはずです。

Q:妻(夫)は私を騙しているでしょうか(人生相談)。
A:国際結婚では、「騙されてもよいではないですか。」とか、「一回も騙されなかったあなたの人生は幸せですか。」とか、「一人の人を愛してその人のために尽くそうとすることは、人道上、素晴らしいことだ。」、等の考え方をしばしば聞きます。とはいえ、相手の意思を確かめたいときは、相手の家族等へどの程度紹介してくれるのか、等を確かめることです。なお、入管業界では、入管の審査を考慮した場合、お見合い的なものの場合、交際期間を長く持つほうがよいです。この点、当事務所にご相談にお越しになる方の大半が、一時期、「お店」で知り合う事案だった時期もありました。もっとも、最近ではネット上で知り合って、長期間メールでやりとりし、婚姻なさった等、出会いのきっかけは多様化する傾向にあります。もちろん、あさひ東京総合法務事務所で扱うのは、全てが、bona fide marriageです。
ご結婚なさるきっかけは色々です。別れ話等を持ち出してケンカして、部屋を出てきたところ、心配になって戻ってみたら相手が泣いていて、それが結婚するきっかけになった、という話をお聞きすることも御座います。


オーバーステイ(不法滞在)に係る法律学

 オーバーステイ(不法滞在)ではパートナーとの協力も必要ですが、オーバーステイの専門家の協力も重要です。あさひ東京総合法務事務所では、以前、上場企業の創業者一族の男性の方から、ご依頼を受けました。奥様にはオーバーステイ(不法滞在)歴がありました。その案件は、現時点でオーバーステイ(不法滞在)しているわけではなく、過去にその履歴があるという事案で、海外から呼び寄せする事案でしたが、ご自分で申請したところ、何度やっても許可されません。あるとき、東京入国管理局永住審査部門の担当官が見かねたようにこう言ったそうです。
 当該御主人が「ネットに書いてあるものは全て用意したんですが。」、と言ったところ、担当官は「それじゃダメなんですよね。あれは何の問題もない方のものですよ。不法滞在していたら全然違うんです。専門の方と相談して下さい。」と言われたとのことでした。入国管理局は、法律事務所の宣伝していると思われたくないので、よほどのことがない限り、法律家に相談を、などとは言いませんが、本音ではそう思っているのです。
 また、別のとある案件で、知人が入国管理局に収容されたある日本人男性が、たまたまですが、入国管理局内部の摘発部門で勤務している職員が親戚だったため、内々に職員に親戚として相談された際の話です。その案件は難易度の高い案件だったのですが、話を聞かれた当該親戚の入国管理局職員曰く、「案件自体は許可困難な案件ですが、仮に法律家に依頼するなら、5万円とか10万円とかの安いところではなく、それなりの値段のきちっとやってくれるところがいいですよ。」、ともっともな助言をされたとのことでした。

 こうした話は、あさひ東京総合法務事務所の長年の経験や情報からも裏付けされており、入国管理局側の本音と思って頂いて差し支えません。裁判所も同じでして、裁判官側が本人訴訟を歓迎しているわけでは御座いません。
どうしてそうなのかと申しますと、それは色々御座いますが、わかりやすい理由で申し上げますと、入国管理局の審査官も裁判所の裁判官も、審査をする側の立場です。いわば国民全体と社会全体の利益のために仕事をしていますので、在留資格を求める申請人側の個人的利益で仕事をしているわけではないのです。そして、法令上、外国人のこうした在留申請行為は、外国人側に立証責任が存在することになっており、審査官は仮に百歩譲って、個人的にかわいそう等と思ったとしても、手取り足取り支援活動や立証活動を助ける立場にはないですし、「助言する立場」には一切無いのです。そんなことをすれば、上司や周囲から「余計な仕事をしている。」とか「仕事を増やしている。」などと思われかねず、そうしたことはできかねる背景があります。

Q:あさひ東京総合法務事務所に依頼するとどのようなことができますか。
A:近時になって不法滞在には極めて厳しくなっている出入国管理行政におきまして、真実婚姻している夫妻等が「不当な不利益」や「違法な不利益」を負わないよう、憲法その他の法令や判例の枠内において、人権救済と適正手続きの実現を行っております。現実には、結婚する前に強制送還される夫妻が多いことを指摘できますが、収容された場合、事実上、そこから原則10数日以内に結婚しないと、実質的なスタートラインに立つこともできないまま、強制送還される例が多いです(なお、結婚が間に合っても、駆け込み婚なので、強制送還されるのが原則です。)。
人権救済手続の準備には、行政書士による供述調書、請願書等の作成や、入管の代わりに行う実体調査による調査報告書作成等、在特請願や仮放免申請、審査と実体調査への対応等が含まれ、ご依頼された方のご希望の結果を出すように努めます。プロセスに係る時間も短縮されるのが一般的です。

 不法滞在者には、人権は極めて制限されることを否定することは困難と思われます。あさひ東京総合法務事務所は代表行政書士自身が国際結婚をしており、親族に外国人がいる関係で決して外国人に対し、差別的な思想を持っているわけではなく、むしろ逆であって、以下は、法律家としての実感として申し上げますが、そもそも外国人であるというだけで、人権は日本人の半分もありません。外国人の中でも不法滞在者は、さらにその半分もありません。イメージで言えば、不法滞在者と入国管理局の関係は、戦前の戦時中の日本国民と日本政府のような関係です。つまり、ほとんど自由に処分できます。紙1枚で事実上の人生を終わりを宣告できます。
入国管理局では、ある夫妻が不法滞在であると出頭してきた場合、まず、「収容」するかどうか(捕まえて閉じ込めるかどうか)を決めます。そして、その夫妻の結婚関係は偽装結婚その他の疑義が存するとの推定を(事実上)働かせて対応します。なぜなら、不法滞在であろうがなかろうが、元々、配偶者案件では、偽装結婚を企図する事案が多く(グーグルニュースで「偽装結婚」でググって下さいませ。氷山の一角しか報道されませんが、時期によっては、申請件数全体の半数が偽装だと新聞報道されたこともありました。)、ましてオーバーステイ(不法滞在)では、偽装結婚には100万円~300万円等の不法な金員が動くため(経済情勢により、昔よりも金額は安くなったようです。)、全く信用されていないのです。つまり初めから疑いをかけられているのです。そして、かけられた疑いへの立証責任は、実際には、その夫妻側にあります。したがって、夫妻は自ら偽装結婚その他の疑義はないとの証明をしなければなりません。
そしてよく誤解されるのが「偽装結婚ではないと立証できればOKか」、「本当の結婚だから大丈夫か」どうかという点です。たとえば、関東地方の案件で、他の法律事務所に依頼して、自主出頭した出頭申告案件で、在特不許可になったと、あさひ東京総合法務事務所に相談がありました。退去強制処分歴無し、実子無しの事案でしたが、個別の事情を詳しくお聞きしたところ、あさひ東京総合法務事務所ではその内容で不許可になったことがない事例でした。入管から「違法性が大きいのが理由」、「婚姻の内容のほうは見ていない。」と言われたとのことでした。この事例から分かりますように、「偽装結婚ではないと立証できればOKか」という問題ではないのです。「違法性が大きいのが理由」といいますが、そもそも「違法性」の評価は規範的な価値判断です。入管は犯罪を裁くところではないのですが、犯罪構成要件は、構成要件に該当し、違法で有責であるかどうか、可罰的違法性があるかどうか、違法性阻却事由があるかどうか、といったことが関係します。在留特別許可の場合、退去強制事由には該当することが前提になりますが、それに違法性の程度、有責性の程度において適切な防禦に係る立証を行い、さらに婚姻の安定性、継続性、信憑性の立証、のみならず、在留特別許可の許容性、相当性を実質的に立証しなければならず、それは個別に異なることになります。

 たとえば、以前、イスラム系の某世界で一番有名な国際テロ組織の一員であるなどと「別件逮捕」で「誤認逮捕」された外国人(不法滞在ではありません。)は、その後、一応、名誉挽回したのですが、複数の国に入国できなくなったなどと、涙の記者会見を開いたと報道されています。このように、入国管理の世界はどこの国も恐ろしく「神経質」なのです。ましてオーバーステイ(不法滞在)では、少しでも疑われると、厳格に審査される分類に分けられてしまい、それを回復できない場合があります。
疑い(疑義)の程度と内容にも拠りますが、疑い(疑義)の程度が強い場合、強制送還が実行される場合もあります。他方、疑い(疑義)の程度が強くないときでも、疑い(疑義)を払拭できないときは、審査が保留になり、いつまで経っても、不法滞在のままで、日本政府から国民健康保険等の然るべき市民としての公的支援を得られないという不安定な状態が何年も続き、道端で警察に職務質問で逮捕されてしまったという事例もあります(入管と警察は別です。)。

 この点、事実の認定は証拠によります(参考、刑事訴訟法317条)。よって、証拠を提出し、主張と防禦を行って、証明することになります。しかし、そもそも証拠資料に何を用いるのかは、このような入管実務や法律手続に習熟していないと困難です。たとえば、「証拠能力」と「証明力」の区別が理解されてますでしょうか。訴訟手続とは異なりますが、究極的には共通します。証拠能力のない証拠を提出しても無効です。また証拠能力があっても証明力がなければ証明できません。さらに、「偽装婚ではないとの証明」は特殊です。また、不法滞在者のことを「容疑者」と呼び、収容施設内部では、外国人容疑者に対し、入管職員のことを「先生」と呼ぶように、求めている入国管理局は、警察と類似の組織であり、証拠資料の見方に独特なポイントがあります。

 また、あさひ東京総合法務事務所は、頻繁に入国管理局の警備部門、審判部門等へ出張しており、そのうえ、法務省本省ともコミュニケーションを取っており、最新情報の収集に尽力しております。入国管理局の場合、オーバーステイ(不法滞在)に係る外国人をどう処遇するか等は審査官の裁量で決まる範囲が大きいため、常に現場の見解や動向を窺知しておかねばなりません。
いわゆる「在特」業務に関して当事務所で行うのは概要、以下の組み合わせです。すなわち、カウンセリングと事実認定、交互尋問への対応(※偽装結婚案件を受任しないよう、最初に入国管理局の現場と同等レベルでのご質問をさせて頂きますので、予めご了承下さいませ。)、写真撮影(※こちらは案件によります。)及び写真編集と印刷、実体調査(ご自宅等訪問。※こちらは案件によります。)、書式交付、当事務所のマニュアル資料交付(内容はカスタマイズされるため、個別の事情で異なります。)、供述調書作成(案件に拠る)、申告書・陳述書・請願書(理由書)等作成とチェック、在留に係る既往歴チェックと、整合性確認、証拠資料収集アドバイスとチェック、ミーティング、婚姻届同伴、入国管理局出頭申告付き添い(入管に名刺提出)、進捗状況分析、呼び出し同伴、在特許可後の各種手続のアドバイス、等です。一般的な案件での用意する資料は概ね、厚さ5cm程度~となります。

[注]
偽装婚や偽装親子その他の偽装親族関係、その他の虚偽等が存在する等と判断したときは、その時点で業務は終了(解約)させて頂きます。これは法律業界全般の共通事項ですが、そういう虚偽があるのに、受任する事務所はまともとはいえません。以前あった建築士の偽装事件と同じで、いずれ露見します。

Q:偽装婚の特徴は何でしょうか(行政書士向け。)。
A:ベテランの行政書士ですと、お客様とお会いして1時間も話せば、本物かどうかはもう分かる、という場合が実は大半なのですが、今一度、基本に立ち返る意味で以下を申し上げます。
偽装婚の問題は日配、永配、家族滞在、定住者等の身分系全般に通底する問題であり、オーバーステイ(不法滞在)かどうかには関わりません。偽装婚のmotivationがあるか否かをまず、客観的資料から、確認することです。
まず、日本人側のmotivationに関して論及すれば、経済的に全く困っていないのであれば、原則として、motivationはありません(例外として、非常に若い人の中には、特に困っていなくても、お小遣い稼ぎ目的程度の考えで、偽装婚に応じる日本人が、男性でも女性でも存在します。)。経済的に困る要因としては、クレサラ、ギャンブル、株(デイトレ)、外パブ傾倒、住宅ローン、失職、会社経営の資金繰り(経営者の場合)、等です。なお、経済的に困窮していなくても、たとえば、取引先の関係であるとか、外パブの関係者であるとか、あるいは、何らかの理由で断れないことがmotivationになっている場合があります。入国管理局が細かな経済状態を証する資料を要求するのはそのためでもあります。なお、大手企業等に勤務であっても、ギャンブル等で困窮する例はあるので、職業だけでは判断できません。預金通帳等を拝見することも検討すべきです(入国管理局でもしばしば要求されます。)。
次に、外国人側のmotivationに関して論及すれば、外パブ等の店舗で稼動可能な外国人の場合には、その線でも確認が必要ですし、ある外国人女性につき、真の(内縁の)夫(日本人のこともあれば外国人のこともある。)がいて、そこが源になっている場合もあります。あるいは、外国人妻の母親を招聘したいが不許可になっているため、母親につき、偽造で入国させたうえ、偽装結婚させるような案件もあります。その場合の「源」は、その本人の娘夫妻なわけです。比較的高齢な外国人の婚姻案件にありうる類型です。また、「社長の愛人型」という類型もあり、妻のいる会社社長等が、部下等を買収、強要して結婚させる類型もあります。こういうものはプロの行政書士が突っ込んだ質問をすれば分かります。要するに多角的にmotivationの有無を検討しなければなりません。
他方、偽装婚は概して、その性質上、その二人を取り巻く、人的範囲が狭いです。これが最大の判断規範の一つとも言えるでしょう。偽装婚には同居する類型まであるので、同居が推定力を有しても、実体の証明そのものにはならない以上、同居の「中身」の確認はもとより、人的範囲の広さの証明が必要と解されます。なお、同居もしていない場合は基本的に入国管理局では認められません。
当事者の親族の協力がある事案は強い推定力が働きますが、偽装結婚案件は、日本人の親は協力し、一緒に写真に収まるようなことを実際に行うケースが本当にあるため、親族だけではなく、第三者も重畳的に確認が必要です。
また、偽装婚の場合、夫婦の会話内容も判断基準になります。この点、婚姻の他方当事者から積極的な発言が無く、「飾り」のようで、沈黙が多い場合も、偽装婚の推定が働くといえます。
さらに、当事者以外の第三者から、行政書士事務所に、最初のコンタクトがあるケース、就労案件ならともかく、日配や恋人案件で、自分のことであるにもかかわらず、他人の問題であるかのような突き放した態度や、「妙に冷めたビジネスライクな態度」を採るケース、等も、疑わしい場合があります。たとえば、慣れた行政書士は、電話の向こうの相手の声で、愛の無い関係かどうか、概ね、分かります。具体的に言うと、就労系の問い合わせと、配偶者系の問い合わせでは、初めから、電話の向こうのクライアントの声の調子が違うのです(例外はありますが、一般的傾向で明らかです。)。無論、就労系はビジネスライクなものなので、すぐ分かるのです。
最近は本当に悪質な案件もあり、入国管理局も、生半可なことでは、当該案件を信用しません。案件にもよりますが、たとえば、当事務所での実体確認は、複数の現場を確認します。部屋にツーショット写真を飾っている程度では、入国管理局では、信用に値しません。過去に虚偽のツーショット写真を飾った偽装結婚が摘発された事例があります。結婚式で多数参列した写真があっても、直ちに信用できるわけではありません。過去にサクラで参列者を用意し、撮影した偽装結婚が摘発された事例もあります。また、入国管理局でもいったん許可しても、完全に信用したわけではなく、入国管理局の継続的な追跡調査は続きます。たとえば、在特が許可された後、しばらくしていきなり入国管理局職員が、近所へ調査をかけたうえ、家まで見に来ることもあります。これは、偽装婚でも在特の審査中は、我慢して同居する者がいるので、いったん許可して油断した頃を見計らって調査をかけるということと思われます。
こういったことを申し上げますと、「うちは、本当の結婚だから大丈夫。ぜひとも、家に来てほしい。近所に聞いてもらっても構わない。」と喜んでおっしゃるお客様がおられるのですが、少し誤解が御座います。何が誤解かと申しますと、入国管理局の「確実性」を誤解されておられます。そもそもそこまで確かなところでは御座いません。そもそも国家機関が無謬で完璧ならば、裁判で当事者主義の訴訟構造(三面構造)は要らないではないですか。なぜ刑事裁判は、裁判官と検察官と弁護人で分かれているのでしょうか。それはそれが人類の歴史的経験則上、真実発見に一番適切だからです。ところが外国人裁判所である入国管理局では、裁判官に相当するところの審査官しかいないのです。

 具体例を申し上げます。まず、「国際結婚に『入管の壁』」でグーグルで検索して下さい。東京新聞の新聞記事です。書かれてあることは、誇張は一切ありませんし、特殊なケースを紹介しているわけでもなく、全て入国管理局の日常的な不許可事例です。そこに「・・・東京地裁でグルンさんと係争中の東京入管は「同居を証言する近隣住民はいなかった」と主張していたが、今年二月、実はグルンさん夫妻の同居を入管に証言した住民がいたことが、明らかとなった。不利となる証言は裁判官にも隠す入管の“執念”に、夫妻の友人らは「偽装結婚ではない、本当の夫婦をいじめて何が楽しいのか」と、あきれ果てている。・・・」という表現があります。新聞記事当時、訴訟係属中だったようですが、司法で救済される例も少なく、そのまま退去強制になる事例のほうが多いことも指摘しておく必要があります。
実はあさひ東京総合法務事務所でも、ほとんど似たような場面をみたことがあります。ある案件で、日本人男性は収容された内縁の外国人妻につき、「たまたま入国管理局で見かけた」という理由でとある弁護士に案件を依頼しました。ところがその弁護士は、本当にたまたまその日、入国管理局にいただけで、「ごく平均的な弁護士」だったのです。ここで「ごく平均的な弁護士」は入国管理局のことは全くの素人です(外国人問題のことであれば、普通の国際結婚夫婦のほうが、よほど知っています。つまり、平均的な国際結婚夫婦にとっては、知識レベルにおいて、「ごく平均的な弁護士」に依頼する意味はないです。)。その結果、急いだほうがいい案件なのに、2週間ほど何もしませんでした。このままでいいのかと疑問をもったご主人が別の事務所に依頼し、ようやく事態が動き出しましたが、最初のロスが後で響きます。入管は上記のグルンさん夫妻事件と同じように実態調査で自宅へ来ました。そして隣の家の住民に聴きこみしました。地方の一軒家ですので、隣の家の方ともよくお付き合いがあり、普段から付き合いがありましたので、事前に入管には近所の人は自分たち夫婦のことは知られてますよ、と回答していました。しかし、その隣の家の方は、本人の写真を見せられた際、「知らない」と回答した模様でした。その後に、なぜそう答えたのかとご主人が確認したところ、隣人の方は、「勝手に知っていると答えちゃ、マズイかなと思ったので、知らない、見たことないって言っておいたよ。」と言われたのです。なおその案件は、その直後に不許可になりました。結婚するための時間は与えられませんでした。
まず何度も申し上げておりますとおり、入国管理局にはお客様側に有利な証拠を発見する義務も立証責任もありませんので、調査を行う場合、人事異動を控え、早く仕事を終わらせたいので、不許可の口実を探す目的であるという場合もあります。
結局のところ、こういう弊害を防ぐためにもできれば、自宅訪問等はないように、心証のよい、十分な立証活動を「最初から」行うことが大切なのです。

Q:私は偽装婚ではないのですが、妻がどうしても仕送りしたいとのことで不法滞在で不法就労しています。
A:オーバーステイ(不法滞在)状態で二兎を追うと、一兎も得ない場合があります。外国人の奥様の中には、母国の家族が病気である等、どうしても仕送りが必要な場合はあります。そうした場合、日本人夫への遠慮から、あるいは嫌われたくないとの配慮から、夫にお金が必要だと言い出せず、夫が会社へ行っている間に不法滞在にも関わらず、不法就労する場合があります。そうした状態で不法滞在を理由に摘発されることも多いものです。そのような不法滞在状態で就労できる場所は限定されているため、風俗店の場合もあり、夫に秘匿していて、夫が知らず、往々にして破滅的結果を帰結します(実例あり。)。たとえば、不法滞在に係る審査中、このような場合には、夫が妻の話をよく聞いて、仕送りが必要ではないかを聞く等、風通しのよい夫婦関係が肝要と解されます。

Q:どのようなケースに強いですか。
A:実習先、外国人パブ、その他の場所で知り合い、オーバーステイで結婚するケースのほか、配偶者案件全般に強みを持ちます。なお、本当は外パブで知り合ったのに、偽造パスポートや過去に不法滞在で不法就労していたとか、お店へ迷惑掛けたくない(掛けられない)、等の理由で、「(フィリピンその他で)友人(知人)の紹介で知り合いました。」、などと主張するケースが、伝統的に多く見られるのですが、入国管理局での審査で通らずに、ご相談される例が多いのが実情です。

Q:行政書士が入国管理局の手続に介入することの制度的意義とは。
A:入国管理局や政府にとってもこれはメリットがあります。
すなわち、
(1)証拠資料不明等で、一見疑義が存する申告者については、徒に審査期間が延びがちですが、これを訴訟手続で通用するレベルの証拠資料を具備することにより無駄な調査を省きます。
また、(2)現状の職権主義的構造を是正し、当事者主義的構造に近づける意義もありますので、むしろ行政書士の介入は憲法上の要請とすら言えます(憲31条)。入管法が適正手続(憲31条)を要請することは論を俟たないところです。そして、「行政」に習熟した行政書士は民間の公平な第三者として、行政オンブズマンに最も適しているのです。
さらに、(3)従来、及び現在、多数の行政書士が、いわゆる入国管理局での出頭申告ないし在留特別手続に関し、活躍しています。それが在留希望の案件にせよ、帰国希望の案件にせよ、結果的には(在特や出命等により)「不法滞在者の数」が減ります。このことの社会的意義はもっと重視されてよいと思われます。実際、行政書士業界がここまでやっていなければ、不法滞在者の数はもっと、多かったでしょうし、不幸になったご夫婦はもっと多かったと思います。これはまさに民間の活力で、入管の立場では限界があります。私見ではもっと、社会的に評価されてよいと思われます。
オーバーステイ(不法滞在)では、入国管理局に、自分の状態を法的に的確に説明するという作業も必要です。当事務所では、オーバーステイの方に代わって、人権救済を行います。この点、法的主張のできる法律専門家が付かないと、実際上、甘くみられることもあります。その顕著な事例は、最近、広島入国管理局のほうで起きた、入国管理局職員の不正な不許可のニュースに見られます(このニュースはまさしく行政書士のオンブズマンの必要性を示しています。)。

Q:オーバーステイ(不法滞在)で、何も考えないで、入国管理局へ行ったらどうなりますか?
A:最悪の場合、お二人は離れ離れになります。「こんなことになるとは知らなかった。」というお話をよく聞きます。しかも少しも珍しくはありません。ちなみにいったん離れ離れになったあと、相手のパートナーを再び、日本に呼び寄せることが可能か否かの保障はまったくありません。ですので、半永久的にそのままの場合もあります。

Q:入国管理局と警察は何が違いますか?
A:法的には、オーバーステイ(不法滞在)につき、基本的には入国管理局は刑事責任の追及を目的とするわけではない一方、警察は犯罪者を摘発し、検察>裁判所へ送ることを目的としている点が違います。しかし、入国管理局も警察も同じ「公安行政」なのです。入国管理局の実態調査は警察の犯罪捜査と同じようなことを行う場合があります。実務的には、両者は別組織ですが、非常に緊密な関係にあります。ちなみに警察の接見室と入国管理局の面会室は同じような造りです。そのうえ、入国管理局は、不法滞在者のことを「容疑者」と呼びます。

Q:オーバーステイ(不法滞在)で、法律専門家に頼むといくらかかりますか?
A:これはお金の問題ではなく、オーバーステイ、すなわち、入国管理局の専門家を選ぶことが大切です。当事務所では、まずは法務相談をすることを勧めしております。この法務相談だけでしたら、あまり費用はかかりませんので、試しに相談してみるだけで結構ですから、お気軽にお問い合わせください。

Q:あさひ東京総合法務事務所では、入国管理局への対応以外にどのような対応を行いますか。
A:行政内部では入国管理局以外の政府機関に働きかけることが可能です。どの機関に働きかけるかは、個別の事案と依頼人のご要望に応じ、当事務所の法的知識と経験に照らして決定します。また、必要に応じて、立法(政治)部門へも働きかけます。さらに第四の権力とも言われるマスコミへも働きかける場合もあります(事情に拠ります。)。これらはいずれも一概に言えるものではなく、諸般の事情を総合し、あくまで依頼人の意思でお決め頂きます。

【参考】

*オーバーステイ(不法滞在)と区市町村の窓口。
 区市町村の窓口は、(地域にもよりますが)必ずしもオーバーステイ(不法滞在)の外国人の対応には十分ではありません。その結果、明らかに誤った情報をオーバーステイの外国人側に伝える場合があります。それを鵜呑みにして、オーバーステイ(不法滞在)で入国管理局へ行って強制送還された例は多数あります。よって、オーバーステイでは、区市町村の窓口は当てにならないとお考え下さい(それどころか、むしろ区市町村は国際結婚夫妻を助ける立場には御座いません。刑事訴訟法239条2項をご覧下さい。)。
 「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」(刑事訴訟法239条2項)。区市町村は「官吏又は公吏」に該当し、国際結婚夫妻を告発する立場です。何も考えないでゆくと、オーバーステイ(不法滞在)で、そのまま強制送還のレールに乗る場合があります。そして、そういう場面はオーバーステイ(不法滞在)では婚姻届に限らず、外国大使館その他、色々な場所で生じます。

*オーバーステイ(不法滞在)とインターネット上の情報
 当事務所で、最近、ネット上で、常識かのように広く言及されていたことが、いざ調べてみたら、誤りであった、ということがありました。このことはオーバーステイ(不法滞在)には限りません。そもそも、入国管理の業界での実務情報というのは、非常に流動的です。ですので、常に最新かつ正確な情報をネット上に提供するのは、無理があります。このような理由から、当事務所では、無責任な情報は提供しておりません。
オーバーステイ(不法滞在)ひとつみても、ケースバイケースです。行政機関(場合によっては「職員」)によって対応が違うこともあるのです。特に「口コミ情報」は危険です。「伝言ゲーム」を昔なさってみたことがあるはずです。

対応国(一例であり特定の国に限定はしておりません)

フィリピン,タイ,中国,ロシア,ウクライナ,ルーマニア,モルドバ,ベラルーシ,リトアニア,パキスタン,バングラデシュ,イラン,シリア,スリランカ,ネパール,ミャンマー,韓国,台湾,インド,インドネシア,マレーシア,ベトナム,モンゴル,ブラジル,アメリカ,カナダ,イギリス,フランス,ドイツ,イタリア,スペイン,ポーランド,オーストラリア,チリ,ペルー,ボリビア,メキシコ,コロンビア,ナイジェリア,ウズベキスタン等(順不同)

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古川峰光

早稲田大学政経学部卒
Attorney at Law
プロフィール

弁護士

(当事務所顧問)
法務省人権擁護委員
弁護士/古川健三
東北大学法学部卒
Attorney at Law

ビザ在留資格取得安心宣言

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行政書士古川峰光の取材等

ビザの解説

当事務所行政書士
古川峰光のインタビュー記事 「短期や結婚のビザ問題に詳しい」等と紹介されました
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(リクルート刊)

ビザ解説

当事務所行政書士
古川峰光のインタビュー記事 広島のペルー人の問題の巻頭カラー特集で、コメント
SPA!誌
扶桑社・フジサンケイグループ

帰化Q&A

当事務所行政書士古川峰光寄稿
「帰化Q&A」の執筆
週刊サッカーマガジン
ベースボール・マガジン社

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