出入国在留管理局の総論
ブログ風写真と記事で見る出入国在留管理局(旧入国管理局)
出入国在留管理局(旧入国管理局)関連の手続専門の国際行政書士(あさひ東京総合法務事務所所属)が解説致します。
日本政府は定期的に出入国管理基本計画を策定しています。これには、「我が国が歓迎すべき外国人の受入れ促進」の重要性が示されています。しかし、担当官庁たる出入国在留管理局(旧入国管理局)(以下「入管」という場合があります。)については、これから日本の人口が減少し、外国人をどの程度受け入れるのか、議論が必要であるにも関わらず、ほとんど知られていないため、ブログ風に解説したものです。筆者は入管業界人の行政書士・古川峰光です。色々、サイトを作成してきましたが、ブログ風のものが無かったので、作成してみました。
【東京出入国在留管理局(旧入国管理局)】
「東京特許許可局」、「東京出入国在留管理局(旧入国管理局)」、・・・子どものころ、早口言葉で遊んだことはないでしょうか。
このように東京出入国在留管理局(旧入国管理局)とは出入国在留管理局(旧入国管理局)の代名詞ともいえます(なお、東京入管管理局とはあまり言いません。)。イメージや雰囲気をつかんで、出入国在留管理局(旧入国管理局)の理解を深めて頂くため、なるべく写真でもご案内致します。
東京出入国在留管理局(旧入国管理局)等について正面から解説したサイトはほとんどありません。しかし、出入国在留管理局(旧入国管理局)の予算には、1年間で数百億円が割り当てされています。これを出入国在留管理局(旧入国管理局)職員の数で割ると、職員1人当たりいくらになるでしょうか。もちろん、職員の給与だけではなく、収容施設での衣食住の給付等の多様な費用も含まれます。ただ、日本でこういう専門的な公務員を動かすのは非常にお金がかかることなのです。出入国在留管理局(旧入国管理局)職員の仕事は非常に高度です。英語は当然のように要求されるうえ、法律の知識も必要で、仮に民間に任せても、かなりのエグゼクティブな仕事になると思われます。たとえば、東京出入国在留管理局(旧入国管理局)等の職員が60分仕事をするといくらかかるでしょうか。留学生のアルバイトの時給の5倍程度かかることでしょう。施設の維持費やインフラも含めれば、10倍程度かかっているかもしれません。つまり、60分1万円、出入国在留管理局(旧入国管理局)職員と30分会話をすれば、「国費」は約5000円というわけです。また、不法滞在者を収容すればその維持費は甚大です。
この点、筆者は、民間で相談を受けているため、しばしば、「出入国在留管理局(旧入国管理局)職員は何も教えてくれない。」などという意見を聞きますが、入管にはそういう相談に応じる予算は、もうありません。民間の活力で出入国在留管理局(旧入国管理局)の負担を減らし、政府の借金を減らすことが、今、民間に求められているのです。換言すれば、これが現在の行政書士に求められている役割と解されるのです。
【厳しい出入国在留管理局(旧入国管理局)情勢】
さて、近年、世界各地でテロ事件が生じています。このことは、日本の入管制度にも大きな影響を与えつつあります。もはや申請すれば許可されるなどという状態ではありません。
たとえば、過去に起きた英国でのテロ事件は、英国への移民が原因とされます。日本はこれは他人事では全くありません。英国のこのテロ事件の背景には、移民(2世、3世を含む。)が困窮し、社会的に疎外されている感情があると分析されています。人間は感情をもった生き物なので、単に生産力が足りないからといって、安易にロボットのように受け入れることはできないという見方が、出入国在留管理局(旧入国管理局)業界では、有力です。このような考え方のもと、出入国在留管理局(旧入国管理局)での審査は厳格化、長期化の傾向にあるうえ、政策的に好ましくない申請については、一点でも些細な瑕疵や矛盾点や不許可事由等を発見次第、不許可にするという運用が見られます。
【出入国在留管理局(旧入国管理局)に関する法律】
出入国在留管理局(旧入国管理局)に関する法律をご覧になったことはあるでしょうか。おそらく、よく意味が分からなかったに違いありません。また、インターネット上で一般に流通している審査基準をみて、どういう場合に許可されるのか、すぐ分かったという人はまずいないと思われます。なぜなら、これらの法令や審査基準は、政策上の必要性で、初めからアバウトに、つまり抽象的に書いているのです。したがって、どういう場合に許可されるかなど、分かるはずがありません。そもそも一律の基準を設けているわけではないのです。
若干関連する例を挙げます。
あるとき、就学の審査の基準省令が改正され、「ただし、申請人が外国から相当数の外国人を入学させて初等教育又は中等教育を外国語により施すことを目的として設立された教育機関において教育を受ける活動に従事する場合は、イに該当することを要しない。」という文言が付加されました。この意味を真に理解した民間人は、日本では、事実上、私が最初でした。なぜそう言えるのかと申しますと、私の法務省への打診で初めて、「実務」に反映したからです。また、実は、民間人だけではなく、地方局も理解していませんでした。法務省の「就学」を直接、担当する最高責任者に直接打診することで、初めて明確になったのです。ただ、意味が明確になったというよりも、解釈を決めたというのが実態です。最高責任者ですら、それまで、どうするか、決めてはいなかったからです。私は新聞記者と同じような理由で、ネット上では、経緯等、あまり詳しいことは書けませんが、打診に1か月以上かかりました。法務省サイドでの検討に時間がかかったからです。ただ、私が動いていなければ、一人の子どもの人生が完全に違ったものになっていました(これは驕りでも何でもなく、本当のことです。)。当初、地方局は、東京本局も横浜支局も否定したからです。東京と横浜の就学両方の責任者クラスに打診して、両者に一致して否定されれれば、通常人であれば、もちろん、並の入管業界人でも断念するでしょう。このようなことは入管では頻繁にあります。これが一般人ならば、出入国在留管理局(旧入国管理局)ではなく、「インフォメ」に聞いて終わりです(そこは出入国在留管理局(旧入国管理局)ではない。)。あるいは、せいぜい、「窓口の職員」で終わりです。
元来、解釈の幅を大きく認める法律ですから、出入国在留管理局(旧入国管理局)の法令や基準を見る場合、言葉だけを読んでも、意味はありません。知るべきことはその解釈と運用なのです。ところが、解釈と運用はその性質上、頻繁に変わるものです。
それにしても、今回のこういう経験など、色々なこれまでの経験に鑑みると、入管の仕事は本当に、その人の人生を変えてしまいます。片手間でやるようなことは絶対にできないので、注意を促したいと思います。
【出入国在留管理局(旧入国管理局)のイメージ】
普通の人は出入国在留管理局(旧入国管理局)へ行く機会は無いものです。全く出入国在留管理局(旧入国管理局)と縁が無い場合、出入国在留管理局(旧入国管理局)は「入国を管理する」ところだから警察のようなところで、外国人を捕まえてばかりいる、怖いところではないか、などというイメージもあります。
そのイメージは半分は当たっています。東京出入国在留管理局(旧入国管理局)でいえば、5階や6階の仕事です。ただ、もう半分の仕事もあり、通常の在留を審査するのが東京出入国在留管理局(旧入国管理局)でいえば、2階の仕事です。
出入国在留管理局(旧入国管理局)を知るということは、今では在日外国人だけではなく、日本人にも非常に大切なことです。しかし、出入国在留管理局(旧入国管理局)の行うことは時として、あまり理解されません。これは普通の理解力のある大人でも理解され難い場合があります。
あるとき、私は、奥さんの退去強制(強制送還)が確定した日本人男性と共に東京出入国在留管理局(旧入国管理局)へ行きました。そのとき、応接された東京出入国在留管理局(旧入国管理局)職員の説明の仕方が大変まずく、夫のほうが到底納得できないようでした。私が夫だったとしても納得できないものだったと思います。その際、私は、見かねて出入国在留管理局(旧入国管理局)側の制度やシステムを、東京出入国在留管理局(旧入国管理局)の代わりに夫に説明しました。
入管行政に関わる行政書士の役割は二つあるのです。一つは、出入国在留管理局(旧入国管理局)の適正な手続を担保することです。もう一つは、この事例のように、市民が出入国在留管理局(旧入国管理局)の制度の意味を理解する橋渡しとなることです。
【偽装結婚は犯罪です】
最近は若い人の中には、アルバイト感覚で偽装結婚で名義を貸してしまう人もいるようです。アルバイト先で知り合った外国人に戸籍を売る。そして、脅迫を受ける。相手も必死であって、まだ若いのに可哀そうであるが、自己責任。これは「知らなかったでは済まない話」です。このように出入国在留管理局(旧入国管理局)の問題は非常に身近なところに来ているのです。
写真集「出入国在留管理局」2































































































